@個と公のバランスを持つ
社会の活力を生む原動力は、一人ひとりの「個」を尊重し、「個」の情熱に裏打ちされた自由な発想・行動を重んじる精神から生まれてきました。変革の能動者であり、地域のリーダーたる我々は、自らの志を明確に持ち、自らの信じる道を突き進むことが必要であり、そしてまた個性を伸ばす教育や、個人を尊重する社会システムを構築していくことの重要性も見据えなければなりません。
それと同様に、個人の価値観や個人の権利を尊重するだけでなく、「公」の精神を再認識することも大切です。我々は「社会(共同体)」と無関係でいることはできないのです。その「公」を理解し尊重する精神があれば、義務の履行や節度ある行動、他者への思いやりの心が生まれてきます。また自らの「国」を愛し、誇りを持つことができない人は、決して自ら住むまちや地域に対して、愛情を持つことはできませんし、まちに対する愛情がなければ、豊かな社会を築き上げることもできません。我々が育ち、住んでいるこの日本、このぎふという国やまちを愛する心がまちづくりの出発点です。
この「個」と「公」を尊重する精神は決して相反するものではなく、常に双方の本質を理解した上で、一人ひとりの心の中でバランスを持つことが必要なのです。
A時代に立脚した視点に立つ
戦後の高度経済成長を経て、「物の豊かさ」を求める時代から、「心の豊かさ」を求める時代になってきました。それは、モノが充足している日本の社会だからこそ、感じることができる精神性であり、自然に親しんだり、芸術・文化に触れたりといったことにとどまらず、自分の思いを満たすということに生きがいを感じたり、自分の可能性を信じ、自らの夢を追い求めていくという「自己実現」等のより上位の欲求を人々は求めるようになってきたのです。したがって我々は、自らの経済活動においても、まちづくりや青少年教育等のひとづくりなどの運動においても、「心の豊かさ」を求める時代に対する認識を持たなければならないのです。
社会の要請は時代によって、その成熟度によって変化します。我々JCは、その時代の求めるものを正しくつかみ取った上で、その視点に立って「ひとづくり・まちづくり」運動を展開していく必要があるのです。
B明確な目的・ビジョンを持ち行動する
岐阜JCでは、「水と緑の共創都市ぎふ」というまちづくり運動のビジョンを有し、そのビジョンを市民に発信し、その達成のため持続的で実効の上がる活動を行っています。
地域の人々のニーズが多様化している今日、それを一つのベクトルにまとめていくことは決して容易なことではありません。また多くのメリットを有するJCの単年度制という組織上の特性も、ともすると事業が継続性を欠くことになり、その活動が十分な成果を生まないことにもなります。
これらを踏まえ、我々JCは、多くの市民が共感できる社会性のある明確な目的・ビジョンをもち継続的な視点に立ちながら「ひとづくり・まちづくり」運動に邁進していくことが大切です。
C自分たちの活動を「市民の意識改革」に繋げる
我々のビジョンを達成するためには、単に行政に依存するのではなく、市民が主体的にまちづくり運動を携わっていく必要があります。
我々の活動によって市民のまちづくりに対する意識を高めていくには、我々が地域に対し積極的に政策提言や活動内容を発信すると共に、市民にまちづくり運動への参加を促し、そのプロセスに一緒に加わってもらうことが大切です。それにより、身近な環境を改善する楽しさやまちに対する愛着が少しずつ高まり、市民主体まちづくり運動の実現へと繋がるのです。
また広く市民を我々の活動に巻き込むだけでなく、意識の高い市民をリーダーとして応援し育成していくことは、我々が先導したまちづくり活動に継続性や広がりを持たせるばかりでなく、我々が新たに発生する課題に対応する余地を生み、更なる活動を展開していくことにも繋がります。
D行政への働きかけをする
我々の目指すまちづくり運動が行政の施策にも反映されることで、地域のまちづくり運動に新しい方向を生み出すことに繋がります。
そのためには、我々は行政と意見交換を継続的に行いながら、行政の方向性を把握するとともに常に市民の視点に立ったまちづくり運動の調査・研究を行い、まちづくり団体として行政に対する様々な提案・提言を積極的に行っていく必要があります。
そして、行政と共有できる目標を設定した上で、我々JCは、先導的な活動を行い、行政と共にその成果を地域に波及させていくことが求められています。
E市民(NPO)・行政・企業とのパートナーシップを発揮する
我々が実効あるまちづくり運動を行っていくためには、市民・行政・企業との連携が不可欠であり、昨今は、NPOとの連携も重要視されてきています。それぞれのセクターには強みがあり、それらがまちづくりの中でパートナーシップを発揮することで相乗効果をもたらし、大きな成果を生むのです。
我々JCは各セクターとのネットワークづくりを行いながら、お互いの目的・ビジョンを共有した上で、まちづくりを協働する具合的な活動をさらに推し進めることが求められているのであり、そのためには、JC運動で養った経験、リーダーシップを発揮しながら、その連携の中核として、あるいはコーディネーターとしての役割を果たさなくてはなりません。