副理事長 神田 泰作

 社会が持続的に発展していくうえで、次代を担う子供たちの健全な成長は欠かせません。子供は、成長過程で様々な「壁」に直面します。大人になるにつれてそれは少しずつ大きくなり、社会人ともなれば、社会的責任を伴う課題も多くなります。やがて社会に進み、困難な課題に直面したとき、乗りこえようと自らが考え行動できるかは、青少年期の様々な経験が力となるはずです。だからこそ、青少年期に多くの体験を積み、様々な経験をしてほしいのです。経験は、自身を知る絶好の機会となり、そしていかなる壁を前にしても「私にはできる」という自己効力感をもったしなやかで逞しい子供を育むのです。

 子供たちにとって社会や自然は、関心や興味をひく対象であり、人間的な成長を促す要素に富んだ環境です。その環境のなかで、社会生活は生きる喜びに満ち溢れていること、そして壁を乗り越えた先に自己実現があることを体験してもらい、自己効力感を高めます。子供は、生かされている尊さと、人に与えられる力があることを気づくことで、生きがいのある社会生活を見出し、自らの可能性に期待感をもちます。そして、主体的に考え行動しながら、物事を成し遂げていく達成体験を積むことで、自らの可能性に自信を深めます。大人は、社会的役割を再認識し自らを律すると共に、挑戦する子供の失敗を肯定し、少しずつ壁を乗り越える姿を愛情で支えていかなければなりません。

 多様な経験を積むには、行政、地域、企業、地域の人びととの協働は不可欠です。これまで岐阜JCは、地域社会が青少年育成に主体的に関わる運動を推進してきました。本年度も大人が有する知識・スキル、経験を活かした青少年育成運動を推進し、活動の"ひとの和"を広げていくのです。

 未来を紡ぐものは、大人への憧れです。その憧れに追いつき追い越していくことで、明るい未来は拓かれます。岐阜JCメンバーが、憧れる大人の背中を示していけるよう、私は自身を律し、英知と勇気と情熱をもってすれば「私たちにはできる」という体験へと導きます。