副理事長 柳原 弘幸

 かつて世界をリードした日本は、バブル経済崩壊以降「失われた20年」と表現されています。では、一体日本人は何を失ったのでしょうか。それは物質的なものではなく、精神的なものではないでしょうか。高度成長を成し遂げて得た海外からの高い評価はなくなり、近隣諸国の台頭によりNo.1の座が奪われ、頑張っても良くならない状況に追い打ちをかけられたことで、「私にはできる」という自分を信じ未来に向かう意思を抑えてしまい、前に進もうとする行動ができなくなってしまっているように思えます。今、かつての輝きを取り戻すため、日本人に求められているのは、自己効力感を高め、変えられないという思い込みを、勇気をもって打ち破り行動を起こすことです。

 岐阜JCは歴史と誇りをもつ、達成体験が蓄積された自己効力感の高い組織です。それは「私たちがやるんだ」「私たちならできる」という強い気概のもと活動が行われてきたからに他なりません。だからこそ岐阜JCから「明るい豊かな社会」の実現を声高らかに叫ぶことができるのです。その歴史を背負い、メンバーは現状に満足せず、自己効力感をもって率先して行動し、まずは自己を内側から変革しなければなりません。「内なる変革」がもたらす勇気や希望が、厳しい現実を突き破る価値の創造に結実し、社会的な変化に繋がっていくからです。そしてその変化を積み重ね、外部に発信し、多くの人々と成果を共有することが私たちの団体の存在意義を確立することに繋がっていくのです。そんな団体には必ず新たな仲間が惹きつけられます。そして組織はさらに強固なものとなり、運動発信力が強まり、私たちの思いは広まっていくのです。

 イノベーションをリードするのはいつの時代も若い世代です。私は、岐阜JCのメンバー一人ひとりが、複雑で不確実な世界だからこそ、様々な変化が起こる可能性に満ちていることを自覚し、そんな無限の変化を恐れず、自己効力感をもってワクワクしながら行動するべきだと考えます。日本を引っ張っていくのは若い世代、そしてその若い世代を引っ張っていくのは、他でもない私たちJCメンバーなのです。